上顎骨の3Dモデル作製範囲が歯科インプラント埋入時の応力解析に及ぼす影響
歯科インプラントと応力解析
歯科インプラント治療は歯を喪失したに行われ、
顎骨に人工歯根を埋め込み、人工歯をかぶせることで歯科機能と審美性を回復させることができる。
当研究室では歯科インプラント手術の術前シミュレーションとして、患者の顎骨の3Dモデルを作製し歯科インプラント埋入時の応力解析を行う手法について研究している。この手法では事前に骨にかかる負荷を検証することができるため、最適な埋入位置を決定することができる。
歯科インプラントの概略図[1]
応力解析に用いる3Dモデルは患者ごとに撮影したCT画像を基に作製する。上顎骨の場合、解析の際に使われるモデルは、慣習的に顎周辺までしか作られていない。しかし上顎骨は頭蓋骨という大きな骨の一部であるため、このモデルではその骨の限定的な部分しか解析に考慮されていない。加えて、作製範囲を広げたモデルでの解析をおこなったデータが少ないため、現状のモデルでの解析がどれほど正確なものなのかわかっていないという問題点がある。
上顎骨の3Dモデル
目的
・上顎骨における3Dモデルの作製範囲の違いがどれほど応力分布に影響を与えるかを調査し、現状のモデルにおける解析の妥当性を検証する
・従来モデルでの解析精度向上のため、作製範囲と応力分布の関係を示すデータを収集する
スライド
[1]東京先進医療クリニック
https://www.admd.jp/column/implant_ceramic/